パニック障害とは、不安障害の一種で、
突然前触れもなく動悸、呼吸困難、めまいなど
の発作(パニック発作)を繰り返し、発作への
不安によって外出などの社会生活が制限される
病気です。
アメリカの調査によると一生のうちにパニック障害
にかかる人は、人口の5.1%と言われています。
つまり20人に一人はパニック障害に人生の一度は
なるということです。
日本でも、いまパニック障害にかかっている、
又はこれまでにパニック障害にかかったことが
ある人の割合は全体の3.4%で、
男女差はだいたい1:3で女性に多く、
男性よりも女性の方が罹患率が高いです。
つまり女性の方がパニック障害になりやすいと
いうことです。
日本でも外国でも、発症年齢は女性より
男性の方が若干低く、女性は21~39歳、
男性は20~36歳が平均となっていて、
約6割以上の人が35歳までに発症しています。
また、近年パニック障害の発症年齢が低く
なってきているようです。
○動悸
○汗をかく
○息苦しくなる、窒息するような気分になる
○吐き気・めまい、ふらつき、気の遠くなるような
感じがする
○腹痛や腹部の不快感
○現実感がなくなったり、自分が自分でないような
感覚(離人感)を覚える
○身震いしたり、手足が震えたりする
○自分がおかしくなってしまう、死んでしまうのでは
ないかという恐怖
○いきなり起こる、予期できない発作であるのが特徴
予期不安
○「パニック発作がまた来るのではないか」と心配、
不安に思い続けてしまう
○発作が起きやすい場所や状況を避けるようになり、
行動が制限される
○発作の意味を心配、不安に思ってしまう
・心臓発作を近いうちに自分は起こすのではないか
・そのうち自分の頭が変になってしまうのではないか
広場恐怖
○発作が起こったときにすぐに助けが求められなかったり、
すぐに逃げ出せなかったりする状況に対する恐怖
○広場恐怖という名前であるが、上記の条件を満たせば、
様々な状況で起こりうる(乗り物、人混み、単独での外出、
行列、高速道路、美容院、歯医者、会議、MRI検査など)
○外出・通勤ができず生活に支障がでる
その原因は完全には解明されていませんが、
いくつかの要因が重なった結果、脳の神経や
神経伝達物質の異常が発生して生じるという
のが有力な考え方です。
元々不安が強い方、心配性の方、こだわりが強くて
神経質な方はパニック障害を起こしやすいと言われて
います。このような性格を持っている方は、普段から
不安を感じやすく、不安なことがあるとドキドキしやす
かったり、冷や汗をかいてしまったり、焦って上手く
呼吸できなくなることを経験していることも多いため、
ある時になんらかのきっかけでそれがパニック発作に
移行してしまうことがあります。
幼少期につらい体験をしている場合(虐待など)、
パニック障害が発症しやすくなることが指摘されています。
幼少期に大人から虐待を受けてしまうと、常に気を張ったり、
ビクビクして生活するようになってしまいます。
その状態が幼少期に長く続いていると、成長してからも
普段から強い緊張や不安が抜けなくなります。そのため、
パニック発作も起こりやすくなってしまうのです。
喫煙はパニック障害を発症させやすくすることが指摘
されています。
ニコチンの連用を続けると、総合的に見ればイライラや
不安は強くなります。更に依存性が形成されれば、
ニコチンが切れた時に強い不安を感じるようになり、
パニック発作を起こしやすくなります。
強いストレスを受け続けていると、精神的に余裕が
なくなり不安・緊張が高まります。パニック発作も
起こりやすくなります。
近い人の死、大きな病気、大災害、離婚や離別などの
大きなストレス、仕事や人間関係などのストレスの持続
が認められる場合は、普段よりもパニック障害が発症
しやすくなります。また日本をはじめとした先進国は、
ストレス社会の影響か、途上国と比べてパニック障害の
発症率が高いという指摘があります。
遺伝
パニック障害の原因遺伝子が特定されているわけでは
ありませんが、複数の遺伝子がパニック障害の発症に
関係していると考えられています。
パニック障害の家族歴がある場合は、そうでない人と
比べ4~8倍、パニック障害にかかりやすいという報告
もあります。
また、人種間でも発症率に差があることが指摘されて
います。具体的にはラテン系や南米系の人種はパニック
障害の発症率が低いことが指摘されています。
パニック障害の治療では、
薬物療法、認知行動療法、
TMS治療(磁気刺激を脳の特定部位に当てることで脳機能を調整する治療法)…等
「パニック障害」と一言で言っても
原因も症状も何だかハッキリしない
といったことがことが多いので、
専門的かつ部分的な検査や治療を行っても
改善が見られない場合があります。
西洋医学では原因不明で、対応が出来ない症状も、
東洋医学では根本改善を目指すことで、症状改善が
可能です。
この「根本改善の意識」が大切だと考えます。
あちこち悪いところがあるのに、特定の症状だけ
良くなるというのは、何だか不自然ではないで
しょうか。
まずは全身を診て、一つ一つの症状にアプローチ
していくことで結果的に根本改善に繋がっていきます。
東洋医学では、「パニック障害」に対して、
五臓六腑のツボを用いた鍼灸施術を行います。
五臓六腑の五臓とはそもそも、
・肝臓 … 肝
・心臓 … 心
・胃腸系 … 脾
・呼吸器系 … 肺
・腎臓系 … 腎
を指し、それぞれに関連して症状が出やすい
場所というものがあります。
基本的には、肺と肝の体質と考えます。
◆ 肺の体質の主な症状は…
・首、肩こりがひどくて首が回らない
・肩甲骨の周りがこっていて腕が回らない
・鼻炎(くしゃみと鼻みず)や鼻づまりに困っている
・匂いの感覚が鈍くなった
・空咳が続く
・声がよく裏返る、かすれる
・眠りが浅い
・下痢(痛みと灼熱感を伴う)
・便秘やガスに悩まされる
・冷え性(特に手先、足先)
・肌が弱い(乾燥肌、アレルギー、かぶれ)
・風邪をひきやすい
・貧血気味
・頻尿(特に日中が多い)
・喘息
・うつ症状
・香辛料を強く好む …等
◆ 肺の体質の特徴は…
色白で、全体的にスリムな感じが特徴です。
頭の回転が良くて、眼鏡なんかもよく似合います。
流し目、うなじや首筋、くっきりした鎖骨、
肩ごしのしなやかさが魅力です。
肺の機能がいきすぎると、大腸に影響が出て
便秘やガス等に悩まされます。それから肝臓に
怒りをためやすくなってしまいます。
顔で言えば、頬にボリュームがあり
丸顔で優しさのある顔の方が多いです。
調子が悪いと、むくみからくる頬のたるみや
団子鼻が起こり、毛穴がはっきり、ほうれい線が
くっきりし、二重顎になりかねません。
◆ 肝の体質の主な症状は…
・お酒が強い、もしくは全く飲めない
・目眩がある(グルグルするような)
・まぶたがピクピクする
・ドライアイや、眼精疲労、涙目…等、
目に症状が出やすい
・頭痛持ちである
・肩こり、腰痛、首痛、足がつりやすい
・足や腕の筋肉がよくピクピクする
・爪がもろく、つやがない
・足の巻き爪や爪に縦線が入っている
・シミが増えた
・おへその直ぐ右側が硬い
・無意識のうちに歯ぎしりをしている
・便秘と下痢がよく起こる
・痔がある
・春にアレルギーや鼻炎花粉症に悩んでいる
・酸味が好きで良く柑橘類を食べる …等
◆ 肝の体質の特徴は…
第一印象として引き締まった体つきをしています。
にの腕、太もも、お尻、ふくらはぎなど
体のたるみというものに無縁なタイプです。
醸し出す雰囲気は理知的でそこのいるだけで
存在感があり、何かしらのオーラを発しています。
健康で元気な人の一番の魅力は、所作に表れます。
立ち上がる、歩くしゃがむ、足を組む、何事にも
上品な感じが漂います。相手に何かを差し出す、
ものを置く。その所作一つ一つが、心のこもった
印象を与えます。
東洋医学による鍼灸施術は、薬に頼らず、体の機能を
高めて、全身の不快な症状にアプローチしていきます。
ですので、「パニック障害」以外の身体の不調も改善
していくことができます。
「木を見て森をみず」ということわざがあります。
これは、一部分に気を取られ、全体を見ていないこと
を言います。
医療において、特に近年の病院などは、その傾向に
あると思っております。
診察時は、顔を見ないでパソコンと向き合ったまま
診察し、症状に対しマニュアル通りの説明と機械的
に検査そして対処療法を致します。
お薬も含めての治療自体に悪いと言うことは一概には
言えませんし、改善したのであれば、それで良いのかも
知れません。
でも、そうでない場合は、心も含め体全体のバランス
も見て出来れば根本となる原因を探ることが賢明だと
思っております。
病院としても現実問題として、患者様一人一人に対して
時間をかけて、個別にかかわる事は難しいことと思い
ますので、
患者様一人一人が、意識できるよう東洋医学を通して
伝えていきたいと考えております。
・太淵 (たいえん)
・太白 (たいはく)
・公孫(こうそん)
・太衝 (たいしょう)
・光明 (こうめい)
・中封 (ちゅうほう)
・孔最 (こうさい)
・内関 (ないかん)
・三陰交 (さんいんこうい)
・気衝(きしょう)
・膻中 (だんちゅう) …等
「太」は、大きい、「淵」は、水の深いところ、物が多く集まる場所
という意味があります。
太淵は呼吸器症状に効果的なツボです。
例えば、咳・痰・喉の痛みや腫れ・鼻水・鼻づまりなどの症状に効果が
期待されています。
太淵は、手首前面横紋の親指側の陥凹部、橈骨動脈拍動部に位置します。
手首の手のひら側、親指の付け根の窪みにあるため見つけやすいでしょう。
公孫は東洋医学で脾経の絡穴です。脾は五臓の真ん中にあり、中国を
統一した黄帝と同じであることから、黄帝の性「公孫」を取って名付け
られています。
公孫は嘔吐や下痢、胃痛、食欲不振、胃のむかつきなど、胃腸の働きが
弱っていることが原因で起こる症状を解消するのに効果的なツボです。
それと足指通やしびれ、むくみなど血流がよくなることで下半身の冷えが
改善されるため、月経トラブルの解消や妊活の役割も果たし、不眠症や
ストレスも解消されます。
公孫は内くるぶしの前のくぼみの場所にあるツボです。土踏まずの
アーチ状の真ん中に位置します。
内関のツボは、東洋医学で「内」は内臓、「関」は出入りの要所という
意味を持ちます。
内関(ないかん)は自律神経を整え、精神を安定させる効果があり胃腸
などの内臓機能や平衡感覚を正常に戻す作用があります。
乗り物酔いやつわりによる吐き気、ストレスによる不眠などにも効果が
期待できます。
内関(内関)のツボを見つける際は、手首を内側に曲げて探します。
手首を曲げた際に手首のしわとあわせてに真ん中に縦筋が入っていること
を確認できるでしょう。内関は、シワから指3本分ヒジ側へ移動、かつ、
真ん中を通る縦筋の上にあります。
三陰交は、足の内側を通る「脾経」「腎経」「肝経」という3つの経絡が
交わるところにあるツボです。3つの経絡が交わることから、「三陰交」と
名づけられています。
三陰交が特に効くといわれる効果としては、不妊、生理痛、冷え性が挙げ
られます。三陰交は女性に役立つツボといわれているものの、男性の冷え性
にも効果的です。
自分の内くるぶしの一番高いところをに小指を置き、ふくらはぎに指4本
をそろえて当てます。三陰交は人差し指が当たっているところで、脛骨の
後ろ側の際にあります。
「孔」は穴の意味で、肺の気を通す「最」も優れたツボという意味です。
咳などのかぜの症状や呼吸器系症状に効能があるとされその他にも、腰痛や
痔などにも効果があるとされます。
孔最は、肘から手首までを3等分したときの、肘側の3分の1のところにあり
ます。
正確には、肘を曲げた際にできる線の上を触ると固い腱がある外側の窪みが
尺沢(しゃくたく)というツボと、先に述べた手首の関節の外側の窪みに
ある太淵(たいえん)というツボを結んだ線上の、尺沢から太淵側へ指4本分
を移動したところが孔最です。
膻中という名前の由来は「膻」両乳頭の間の「中」中央という意味です。
膻中は、鎮痛安定作用、自律神経の調整などに効果が期待できます。
ストレス解消や五月病、快眠などに有効です。また呼吸機能を改善し、
動悸や息切れ、胸の痛みに作用します。このように幅広い効果・効能の
期待ができます。
膻中のツボの位置は、左右の乳首を結んだライン(第4肋間の高さ)
と身体の体の真ん中のライン(胸骨)が交わるポイントにあります。
〒333-0025
埼玉県川口市大字石神1144-1
車でお越しの際は駐車場がございます
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埼玉高速鉄道『新井宿駅』徒歩25分
埼玉高速鉄道・武蔵野線『東川口駅』
徒歩30分
9:00~19:00
水曜・日曜